2019年4月11日

食料危機は起きるでしょうか?



№15803 リサーチ・リーディング 2018.12.25

【質問1】農業について10年位前に浅野先生の講演会にて、農業の重要性と個人的に農作物がつくれる土地を確保できるとよいという話がありました。今の日本では農家の人は高齢化や後継者不足で衰退し、食料自給率は低いようです。食料危機は起きるでしょうか?農業のあり方をお示しください。

【ソース】農業が重要であるのは、一点目として実業であることです。最近はITなどの情報関連の仕事が急激に増加し、体を動かして汗を流して、実際に世の中のためや自然のためになる、そのような仕事によってお給料を頂いて生活して生きていくという、素朴で基本的なあり方が減ってきています。例えば職場には行かず、自宅にいながらパソコン一つで机やテーブルに向かってパソコン操作するだけで、仕事として成り立ったりします。情報操作や心理操作など、またさまざまな技術などを駆使することで、実際の働きはせずとも、お金が自動的に自分のところに入ってくるような事をして、それで生活している人たちも出てきています。

そういった事は時代の趨勢(すうせい)であり、一概に否定できるものではありませんが、基本は自分の体や心や頭を動かすことで、自分の知恵や労働や誠意が世のお役に立ち、それによってお金が入ってきて生活できる、ということがあります。そのようなあり方を抜きにして、この物理領域は成り立ちません。いろいろな操作によって、実際の価値や実際の働きのないところにお金が入ってくるのは実状に合っていないため、いずれ崩壊し、入ってきたお金が泡のように消えていきます。

実際に働いた実質の分だけお金が入って、それで生活していける、ということが法則からして健全で正当的です。そのようにして生み出されたお金は消える事はなく、正当的であるため報われ、保障されます。そのような実業の最たるものは農業です。実業としては第一次産業に分類される農業、林業、牧畜業、水産業などが昔ながら人間の働き方の基本です。それが次第に後退してきているし、一般にあまり人気がなく、評価されていない事自体が間違っています。

農業は最も基本的で重要な人間の働きです。生活の基本は衣食住などと昔から言われます。その中でも食が最も不可欠です。食は神に通じます。それは日頃のONEの教えでも伝えられていることです。日本は食の自給率が低く、それだけでも国として問題で、健全とは言えません。

エジプトに奴隷として売られたヨセフは、エジプトの国で農業政策を行ってエジプトの国を助けました。また農業政策によって認められ、優遇されました。そのように農業を重んじ、農業政策で国を助けたヨセフは、のちにイエス・キリストとなって転生しています。ヨセフという名前は「増やす」という意味です。イエス・キリストとして出てきても、やはりパンや魚を増殖する奇跡を行って人々を養っています。

キリストの勧めた「主の祈り」の冒頭のほうに、「日ごとの食物を今日もお与えください」と祈る件(くだり)が出てきます。食がいかに重要か、ということを表しています。「人はパンのみで生きるのではない。むしろ神のお言葉一言一言で生きるのである」そのようにも主は言われましたが、それとて肯定的に解釈するならば、食の重要さや不可欠性を前提での、教えの必要性を述べたお言葉です。

日本で最も気高く尊いと見なされている伊勢神宮の神は稲穂の神です。日本でもお米の重要不可欠性が知られているのです。日本人の現在の一般的な職業観のイメージは、決して正しいものとは言えません。農業に対する人気が低く、評価が決して高くはないからです。農業こそ、あらゆる職の王者的な位置を占めるべきでしょう。

今後、食料危機が起きるかどうかということについて見てみると、起きる可能性は多分にあります。理由の一点目は、人口増加によります。日本や韓国は人口が減りつつありますが、そのような少子化による人口減少は世界的に見ると少なく、世界全体としては人口が増える一方です。少し前までは世界人口は50億人程度でしたが、現在は72億人にまで膨れ上がっています。特にインドや中国での人口増加が目立ちます。

昔は日本国内も世界においても、人口はごく僅かでした。人口が増えると、その分食料が多く必要となります。しかし農業は日本ばかりでなく、世界的に見てもあまり優遇されていません。世界人口が増えれば増えるほど、食料危機に繋がります。これが理由の一点目です。そしてその食料危機が、世界戦争を誘発するリスクがあります。食料の争奪戦です。土地の争奪戦や技術の争奪戦以前に、食の争いがリスクとして待ち受けています。資源の争奪も懸念されますが、最終的には食です。

理由の二つ目は自然災害です。人間が自然を痛めるような生き方や科学技術を開発していることで、自然災害を招いています。そうすると局地的にゲリラ豪雨に襲われたり、その一方で砂漠化が進んだりしています。全体的に見ると温暖化が激しくなっています。これらによって食料が取れなくなりつつあります。日本だけ見ても大型台風が次々に生まれ、日本に上陸して農業の被害は甚大です。酷い暑さも招いています。

このように人間の生き方や物的な科学技術によって自然が破壊され、農業がダメージを受けているということがあります。その一方では確かに、農業の技術やバイオが進みつつあって、農業の生産量や質が向上したり、増大しているということはあります。しかし人間の生き方や価値観の問題と科学技術の偏向性などによって、農業にダメージを与えているほうが相対的に大きいのです。

理由の三番目は政治上の問題です。政策の事です。たとえ食料があっても、公平ではなく偏ってあります。日本は飽和状態ですが、世界の多くの地域で食べられない人たちが大勢おられます。食はある程度あっても、滞りなく分配されているとはとても言えません。このように政策上の問題によって食料危機を招いています。そしてそれが戦争にも繋がることがあり得るのです。戦争にならない場合でも人々が困ったり、憎しみや悲しみを抱くということが起こり得ます。

それゆえ対策として、世界人口が増加の一途を辿ることなく、自然な形で抑制させること。二点目は自然を壊すような生き方や価値観、自然を壊すような物的な科学技術を見直して改善すること。もっと精神的な面でも充実し、満ち足れるようにして、飽食のような贅沢は控えることです。そのためにも、目に見えない世界の事をもっと研究して、学んで、大切にするような生き方やその方向での科学技術に修正していくことです。三点目は政治上の政策として、できるだけ世界中の人々に食料が満遍なく公平に行き渡るようにすることです。

【質問2】食の安全について 関税の引き下げなどにより、海外からたくさんの食品や農産物が輸入されていますが、遺伝子組み換え食品など食の安全に問題はないのでしょうか?食の安全の留意点についてお伝えください。

【ソース】日本に限って見れば、輸入品に対しても食のチェック機能が発達しているため、少なくとも今のところは危険性は少ない、と言えます。多少は紛れ込んできている部分はあっても、おおまかに見て命に支障をきたすほどの事は起きていません。ただ今後はTPPを始め、世界に対して日本も開かれ、他の国々は日本ほどは食の安全性について衛生管理やチェック機能がなされていないため、日本に輸入されてきた物はこれまで以上にリスクが大きくはなります。日本の優れたチェック機能も対応しきれなくなる可能性が高いです。

しかし考えてみれば、現時点ですでに他の国々はそのような食品を日々摂って生きているのです。「日本だけが安全になる」ということは難しいし、また「そのようにすべきではない」とも言えます。世界の事情や世界の人々を思う時、日本だけを考えている場合ではありません。日本でも極力安全性を高めるべきではありますが、もっと世界的に考えて、日本も行動していかねばなりません。日本人が守られることを考えるよりも、世界中の人がそれぞれ食に関して豊かになるとともに安全にもなるように、日本人が技術的にも協力することが優先順位として重要です。

大豆などの遺伝子組み換え食品は、少なくとも今のところは日本にはほとんど入ってきていないようですが、今後はTPPばかりでなく、世界に日本が開かれ、いろいろな所から遺伝子組み換え食品に限らず、日本では考えられないような数値の有毒性の食料や食品が入ってこないとも限りません。

そのような意味でも農業や食に関して日本ばかりでなく、世界的にもっと農業や食品に関して重きを置いて重点的に対応していくべきでしょう。それは自然災害を引き起こさないような対策とも関連してくるはずです。物的な豊かさや繁栄だけを目指すのであってはなりません。日本の優れた科学技術とともに、日本の魂に関する平和的で理想的な考え方や生き方が世界にも紹介され、応用されることが求められてきます。

【質問3】パラレルワールドについて 数年前にニュートンという雑誌でパラレル宇宙論の特集がありました。平行宇宙は無数に存在するとのことですが、「私」は平行世界においてちょっと違った運命の「私」が無数に存在するということでしょうか?パラレルワールドについてお教えください。

【ソース】パラレルワールドがあることは事実です。ONEの法則から見ても。すべては一つということで、微細な中に全体がそれぞれ凝縮して入っています。マクロの中にミクロが、そしてミクロの中にマクロが、それぞれで包摂し合っています。フラクタルの理論もあります。仏教の華厳経で説かれている世界です。一即一切、一切即一。このことからしてもパラレルワールドがあって当然です。

ただその場合、同じ自分が並行して幾人も、あるいは無数に世界に存在するということではありません。似たような人が平行して存在するということです。自分がいろいろな所に存在するという事ではないのです。自分と似たようなパターン化された、自分と対応する別の存在が、別の宇宙にそれぞれ存在するということです。同じ自分がいろいろな所に同時に存在するという事ではありません。

またパラレルワールドという場合、物的な次元だけでのパラレルではありません。異次元のさまざまな次元にも、平行宇宙があります。

【質問4】フリーエネルギーについて 以前からスピリチュアルの世界では「フリーエネルギー」の話を聞きますが、「フリーエネルギー」は存在するのでしょうか?お教えください。

【ソース】フリーエネルギーの最たるものは根源神の生命エネルギーです。その元は愛のエネルギーです。それが神の実質です。根源神の生命エネルギーこそ、フリーエネルギーです。目に見えない本質の次元ではフリーエネルギーです。特に根源神の生命エネルギーはフリーエネルギーとなっています。

人間の中のそれに対応する魂のエネルギーもフリーエネルギーです。ただし神さまの生命エネルギーは自立していて、自分だけで永遠に生き続けられますが、人間のほうは神さまが木の幹であるなら、人間一人ひとりは枝に相当します。枝は木の幹から切り落とされたら、存続し続けられません。幹につながってこそ、枝は生き続けられます。人間の中の魂のエネルギーはそのような限定付のエネルギーです。

神さまに繋がれば、人間一人ひとりの中の魂のエネルギーもフリーエネルギーとなります。基本的に本質である魂のところで、生命エネルギーはフリーエネルギーとなっています。そのため人間は永遠に生き続けられます。もちろん一個人としては、50年か100年で肉体の人の寿命と共にそこで一旦死にますが、本体は生き続けます。

物の次元ではフリーエネルギーはありません。物は仏教でも「無我であり、無常である。それで苦しみがある」と言われるように変わり続けるし、永遠に続くエネルギーではありません。しかし、その物の次元のエネルギーが本質の魂のところに接続すれば、フリーエネルギーとなります。例えば人間の中の愛に根ざせば、物の次元もフリーエネルギーとなります。

キリストは復活を遂げられました。それによって物的には変化し、長くは同じ状態を保てないものでも、根本に根ざすことで、永遠に生産し続けられるようになります。このように物の次元だけでは変化して止まず、エネルギー不滅の法則は働いていても、物自体は長い目では限りがあります。しかし本質のところに根ざせば、フリーエネルギーとなり得ます。霊的世界まで考慮して応用することで、物的次元のエネルギーもフリーエネルギーの道が拓かれます。

物質界の太陽は長い目で見れば有限ですが、根本のところで神さまと繋がっているため、長く燃え続けてエネルギーの源となっています。今後の物的なフリーエネルギーの開発のために、目に見えない世界に根ざすように開発することで、物的なフリーエネルギーも取り出せるようになることでしょう。

アトランティスはそれに近いことをしていましたが、最終的に誤用され、それによってアトランティス文明は終焉しました。その教訓を思い出して、今後は正しい活用をすることを望みます。その教訓はいずれ時期が来た時に、スフィンクスの地下にある記録が取り出され、目にするようになることでしょう。
リーディングを終了します。
(ありがとうございました。)
<了>